用語集

アクセシビリティ
Webにおいてのアクセシビリティとは、身体的・精神的な能力に関わらず、誰もがアクセスできるサイトを制作することを意味する。つまり本当の意味でのアクセシブルなサイトとは、どんなかたでも使えるサイトを指すもので、単に障碍があるかたや高齢者を対象にするものではない。実際には2005年現在、配慮の欠けがちな対象である障害者、ついで高齢者に焦点があてられることが多い。
アクセシビリティ法
世界各国で、障碍者のアクセスに関して法を定めているところは多数存在し、Webサイトに関した法を制定している国も見られる。Webサイトに関するものも含め、アクセスに関する権利全般をカバーする一般人権法を持つ国もあれば、Webのアクセシビリティに特記した法律を持つ国もある。
参照:JIS X 8341–3(ウェブコンテンツJIS)「高齢者・障害者等配慮設計 指針—情報通信における機器・ソフトウェア・サービス – 第3部:ウェブコンテンツ」
オーサリング
主にマークアップ言語を用いて書かれた文書を表す用語。プログラミングという単語と比較した場合、コンピュータプログラミングはマークアップ言語でのオーサリングとは異なる技術を要したプロセスと見なす人が多いため、このふたつは別のものと解釈される。その一方、コーディングという用語は、コンピュータプログラミングとオーサリングの両方を含む意味合いで使われることが多い。
オーサリングツール
オーサリングツールとは、WebオーサーがWebページを作る際に使用するソフトウェアのこと。例としてホームページビルダー、Dreamweaver、Home Site、BBEditなどが挙げられる。
グローバルCSSファイル
グローバルCSSとは、(HTMLの一部として書き込まれたCSSに対して)切り離されたCSSファイルを指す。対象となるWebサイトの全ページから参照され、それらのページに適用される。Webサイト全体における色調、フォント、レイアウト等に関する情報を一括した文書であることが多い。
コーディング
マークアップ言語を用いて文書を書く行為を指す。プログラミングすることを表すのに使われる場合もある。
国際化(インターナショナリゼーション)
国際化とは、所在地に関わらずWebを誰にでも使えるようにするための取り組み。英語では、Internationalizationを略してi18nと書かれることが多い。
コンテンツ
Webサイトのユーザに向けて提示されるマテリアルを指す。テキスト、音声ファイル、画像、Flashのプレゼンテーションほか、様々なフォーマットが考えられる。コンテンツという用語は、こういったものをマークアップするコードではなく、様々な要素そのものを指すことが多い。
仕様書、スペック
プロジェクトのデザイン要件の詳細な説明書。ただしWeb標準の文脈では、標準規格制定機関が厳密に定めた、HTML、XHTML、CSSやその他の言語がどのようにコーディングされるべきかを示す仕様を指す。
スクリーンリーダー
スクリーンリーダーとは、コンピュータ画面上のテキストを読み上げるソフトウェアを指す。スクリーンリーダーは、全盲および視力障碍者に使われることが多い。
セマンティック構造
セマンティック構造とは、意味のある、論理的文書構成のこと。したがって、セマンティックに構成されたWebページはコンテンツの意味を正確に反映し、拡張するマークアップで構成されなければならない。セマンティック構造とWebについての詳細は、セマンティックWebイニシアチブ(英語原文)参照。
デバイス
WebまたはWeb標準に関する話題においてデバイスという言葉が使われた場合、インターネットにつなげられた何らかの機械を指す。通常PCがこれにあたるが、パソコンのみに限らず、携帯電話やPDA、スクリーンリーダー等の障碍者支援技術や、最新電化のインターネット冷蔵庫までを含めてデバイスと称する。
ピクセルパーフェクトデザイン
異なるモニターやウィンドウサイズ、フォントサイズなどのユーザエージェントの違いに対応する柔軟性を持たないWebページデザインを表す表現。1ピクセルのずれも許さない頑さを揶揄したもの。
ブラウザ
ユーザが画像やハイパーテキスト文書(すなわちWebページ)を見るために使用するソフトウェアのこと。例としてMozilla、Netscape、Internet Explorer、Safariなどが挙げられる。
プレゼンテーション
プレゼンテーションとはWebサイトの見ためを指す。レイアウト、フォント、色、装飾のためのみに使われている画像など。Webページのプレゼンテーション部分は、完全にCSSのみで制御することができる。Web標準のディスカッションでは、コンテンツと対比されたかたちで使われることが多い。
プログラミング
プログラミングの正式な定義は“コンピュータに何かさせる命令シーケンス(数列)を作成すること”。Web文書をオーサリングすることはある意味プログラミングとも言え、実際プログラミングである場合もある。(特にJavaScriptに関してはこの場合が多い。) ただし、HTML、XHTML、CSSはマークアップ言語であり、コンピュータに対しての指示を理解するためにブラウザを介さなければならないことから、真のプログラミングとはみなさない。大抵の場合、プログラミングという言葉は、何らかの論理とルールの定式化が関わっていることを示唆する。
ホスティング
Webホスティングとは、サーバの一定容量(あるいはサーバごと)を利用者が使えるようにしたサービスのこと。サーバは、ドメインを打ち込みホスティング利用者のサイトへ訪れるユーザからアクセスされる。ISP参照。
マークアップ言語
マークアップ言語は、コンテンツをタグで囲み、それが何であるか、またどのように表示されるべきかを指定することにより、文書のテキストを“マークアップ”する言語のこと。HTML、XHTML、CSSによって、オーサーは文書において各要素を指し示すことができる—それが何であり、どう表示されるのか—これらの指令はWebブラウザや他のユーザエージェントによって解釈され、ユーザのデバイスに映し出される。
ユーザエージェント
ユーザエージェントとは、Web文書をユーザのために読解してくれるソフトウェアを指す。例えば、PCのブラウザ、携帯電話、スクリーンリーダーなど。
CSS (Cascading Style Sheets)[シーエスエス]
カスケーディングスタイルシートとは、Web上でどのように文書が表示されるべきかの指示を記述したもの。CSSを使うと、メディアによって適用すべきスタイルを書き分けることが可能になる。また、HTML文書の一部として組み込んでも、単独のファイルとして切り離したうえで複数のHTMLファイルに適用してもよい。
DTD (Document Type Definition)[ディーティーディー]
DTDは、特定の文書構造の決まりの大枠を定めるもの。文書の属性、構成要素を挙げ、これらの関連性を定義づける。
Extensible[エクステンシブル]
拡張性があること。XHTMLのXの部分はここからくる。将来的に追加や変更の可能なプログラム、システムを指す。
HTML (HyperText Mark-up Language)[エイチティーエムエル]
ハイパーテキストマークアップ言語。どのようなコンピュータにも読解できるハイパーテキスト文書を作成するための、シンプルなマークアップ言語のこと。HTML文書はSGML文書の一種。
ISP (Internet Service Provider)[アイエスピー]
インターネットサービスプロバイダー。利用者に、インターネットへのアクセスとインターネット上の場所を与えるもの。ホスティング参照。
PNG (Portable Network Graphics)[ピング、ピーエヌジー]
PNGとも呼ばれ、GIFとは異なる。PNGは、GIFフォーマットのパテント問題に応えて90年代に開発された画像ファイル書式で、こちらは特許制限・ライセンス料がない。PNGは付加的に以下のような機能を持つ。アルファ透明度、ガンマ補正、インターレース速度が比較的早い、可逆(ロスレス)圧縮が若干優れている、ほか。ブラウザのなかにはPNGファイル書式をサポートしていないものもある。
RDF (Resource Description Framework)[アールディーエフ]
特定のボキャブラリー(オントロジー、体系化)を使い、リソース間の関係を説明する言語。これにより、リアルで使われているナレッジモデルの関連付けを、情報の再利用のために改善できる。
RSS (“Really Simple Syndication”、“RDF Site Summary” 、または“Rich Site Summary”の略)[アールエスエス]
ニュースやWebサイト更新情報の配信フォーマット。ポピュラーだが異論も多い。現在使用されているRSSの標準規格はすべてXMLを使っている。また、RSS1.0はRDFでもある。
SGML[エスジーエムエル]
SGMLはマークアップ言語を定義するシステムのこと。SGMLで定義づけられている各マークアップ言語は、SGMLアプリケーションと呼ばれる。HTMLはSGMLアプリケーションの一例。
SMIL (Synchronized Multimedia Integration Language)[スマイル]とSVG (Scalable Vector Graphics)[エスブイジー]
マルチメディアとグラフィック関連の標準規格。後者はアドビにより強力に支持されており、XML言語でもあるためマクロメディアFlashフォーマットに勝る。DOMとSVGアニメーションの組み合わせは、Flashと同様の効果を出せるうえ、よりアクセシブルでセマンティックな構造を保つことができる。
Webオーサー
Webオーサーとは、マークアップ言語を用いてWeb用に文書を組む人間を指す。一般にWebデザイナーまたはコーダー、Web制作者などと呼ばれる。
XHTML (eXtensible HyperText Markup Language)[エックスエイチティーエムエル]
拡張可能ハイパーテキストマークアップ言語ファミリー。XHTMLはHTMLXMLのルールに乗っ取って再編成したもの。XHTMLはHTMLにマークアップにわずかな違いがあるという点以外は酷似しており、かつXMLに属することを意味する。
XML (eXtensible Markup Language)[エックスエムエル]
拡張可能マークアップ言語ファミリー。マークアップによりセマンティックな構造上の意味を表す際のルールを定義したもの。XMLは、必ずしもオーサーが決まったタグ(または要素)を使うよう制限するものではない点がHTMLやXHTMLと異なる。つまり、例えば料理レシピをマークアップするにあたって、オーサーは<ingredient>(材料)タグや、<step>(手順)タグ、<oventemperature>(オーブンの温度)タグなどといったものを使うことができる。 ただし、XMLのなかには特定のタグを特定の方法で定義づけているものもある。この例としては、XHTMLが挙げられる。
XSL (eXtensible Stylesheet Language)[エックスエスエル]
拡張可能スタイルシート言語ファミリー。XML文書がどのように表示されるべきかを指示し、XML文書を他のかたちに加工しやすくする。XMLのスタイルシート言語。
MACCAWSキットの文書はすべてCreative Commons Licenseのライセンスに準じます。| 翻訳:清水麻遊